「はじめて自作」第2回 パソコンを「作る」ことは、パソコンを「知る」こと!
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パソコンを「作る」ことは、パソコンを「知る」こと!
私たちは当たり前のように、マウスやキーボードを操作して、パソコンで仕事をしたり遊んだりしていますが、そもそも、なぜそれができているのでしょう?第1回の冒頭で軽くお話したように、パソコンはそれぞれの部品(パーツ)で構成されています。この個々のパーツが、それぞれの役割をきちんと担い、私たちの操作に応じて、それをモニタに表示したり、プリンタに出力したりしているのです。
自作パソコンでは、自分の手でパーツを組み立てて配線していきます。つまり、どのパーツがどのパーツにつながるか、自分の目で確かめて組み立てることによって、パソコン内部の動きを知ることができるのです。パソコンを作ると、パソコンに詳しくなれるのは、このためですね!パソコンの内部に詳しくなると、「やりたいこと」がストレスなく楽しめる方法を自分で考え、それに応じてパソコンを構成することができる…例えば、3Dゲームをストレスなく、最高のグラフィックで楽しむために、グラフィックカードを強化するなど、自分の理想の環境に、ぐっと近づけるパソコンを手に入れることができるのです。
パソコン≒人間!?動く仕組みはほとんど同じ!
パソコンを作る前に、まずはパソコンの内部の働きを簡単に勉強したいと思います。勉強と言っても、そう難しいことではありません。パソコンも人間も、動く仕組みは同じで、入力した情報に従って、中身を動かし、その結果を出力する、という単純なものです。
まずは『入力装置』。キーボードやマウス、タブレットなどを使って、私たちはパソコンに情報を入力します。パソコンは、ここで入力された「文字情報」や「カーソルの操作(アイコンがクリックされた、押されたまま移動したなど)」をもとに、それを電気信号に変え、処理を開始します。
次は『制御・演算装置』。入力された情報に従って、個々のパーツが一斉に働きだします。この個々のパーツをコントロールしている、パソコンの中央にある大きな基盤、それが『マザーボード』です。マザーボードは、入力された情報を、各パーツに受け渡し、各パーツは受け渡された情報に従って、制御、処理を行います。
この処理に欠かせないパーツが『CPU』です。CPUは「中央演算処理装置」と呼ばれ、その名の通り、パソコンの中枢を担うパーツです。このCPUの性能が良いほど、パソコンの性能も上がります。人間に例えると、CPUが脳で、マザーボードが骨格や神経にあたります。「右手を動かしたい」といったときに、脳がその指令をだし、神経を伝って右手が動く、といったように、CPUが指令を出し、マザーボードを伝って、各パーツを動かすのです。
そして、昨今ゲーム向けパソコンなどには、必ずと言ってよいほど搭載されているのが『グラフィックカード(GPU)』です。グラフィックカードには、GPUと呼ばれる、主に3Dのグラフィックに必要な計算処理を行うチップが搭載されています。
次に『記憶装置』です。CPUやGPUが計算した結果を、記憶しておく装置です。『メインメモリ』や『ハードディスク・SSD』がそれにあたります。メインメモリの容量が大きければ大きいほど、たくさんの情報を記憶しておくことができるため、いくつものアプリケーションを同時に立ち上げたり、大きな容量のファイルを使ったりすることができます。が、メインメモリは、いったんパソコンの電源を切ってしまうと、その中身もなくなってしまいます。そこで、電源を切ってもその内容を保存しておけるパーツが、補助記憶装置と呼ばれるハードディスクやSSDです。
これらパーツをむき出しのまま使うことはできないので、1つの箱に収納します。それが『ケース』です。ケースは、パーツをひとまとめにする以外にも、個々のパーツが動作する際、発生する熱をうまく循環させ、熱暴走やパーツの劣化を防ぐという意味もあります。
最後に『出力装置』。『モニタ』や『スピーカー』がそれにあたります。演算装置が処理した結果を、人間にわかるように色や形、文字や音で表示します。最近は、タッチパネル対応のモニタなど、入出力を同時に担うモニタも販売されていますね。
そのほかにも、DVDやブルーレイディスクなどの内容を読み取ったり、記録したりする『光学ドライブ』、パソコンを動かすためになくてはならない「電気」をそれぞれのパーツに供給する『電源』などがあります。
人間も同じですね!見たり聞いたりした情報から、何かを考えて、それを手足や言葉を使ってアウトプットする…パソコンも人間も、やっていることは同じなのです。
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パーツだけでは動かない。だからOSが必要!
ですが、これらの個々のパーツだけでは、パソコンは動きません。やりたいことをやれるアプリケーションを使ってこそ、パソコンは活かされます。この個々のパーツと、アプリケーションを動かす重要なもの…それが『OS』です。
次回はこのOSと、そのほかのソフトウェアについて説明します。