PCデスク晒しちゃってる方に突撃インタビュー!2021 あなたのこだわり語っちゃってください!第18弾!
昨年末開催された、
『Ultimate PC デスク グランプリ 2020 ~究極のPC環境No.1決定戦~ 』
このグランプリで見事受賞された方々で、これまで取材を行っていなかった方に取材のお声がけをさせていただきました!
今回は、となりのカインズさん賞を受賞し、かつ取材のご承諾をいただいた“yōdai”(@mrkm69)さんにお話をお伺いしました。
お部屋丸ごとDIYといっても過言ではないyōdaiさんのPCデスク周り。PCのために天井や本棚などをDIYしたという、なんともコンセプト感たっぷりです。そのコンセプトとは、ズバリ「大好きなキャラクター」。キャラクターをイメージしたPC、からのお部屋のDIYはどのようにできたのでしょうか?
yōdaiさんがお使いのPCスペックは以下の通りです。
CPU | Ryzen 5600X |
CPUクーラー | NZXT Z63 |
マザーボード | MSI B550 MORTAR WI-FI |
メモリ | GALAX HOF OC Lab Aurora DDR4-4000 8GBx4 |
グラフィックカード | LEADTEK RTX2060 |
SSD(M.2) | PLEXTOR M9GP+ 512GB |
ケース | NZXT H510 |
ケースファン | INWIN SIRIUS PURE |
電源 | CORSAIR RM850x |
・PCの用途を教えていただけますでしょうか?
趣味のイラスト等が主で、ゲームはMinecraftや東方project等に使用しています。
最近、配信に興味が出てきたのでもうちょっと高いスペックにしておくべきだったかなと思っています。
・PCを迎え入れるために、天井や本棚などをDIYされたとのことですが、その経緯を教えてください!
PCを部屋のメインとして考えたインテリアにしたかったからです。
PCだけいくらデコレーションして完成度を上げたところで、生活感のある和室に虹色に光るゲーミングPCのように、好きならば良いけれど、部屋から浮いてしまっては面白くないですし、今回PCをインテリアとして調和するために、基調を合わせようと部屋の塗り替えをしたりしました。
スペースの確保と整理をするために、コロナ禍のおうち時間というのもあって、どうせならと本棚や机を制作したりしました。
昨今の流行りだと、恐らくミニマルやシンプルを求められる方が多いかと思うのですが、自分は典型的オタクであり漫画をモノとして本で持っておきたいという所有欲があって、応募した部屋だけでなく最後に数えた数年前の段階で2万冊以上は持っています。電子書籍も自分には合わないため、モノを減らすという生活は合わないと常々思っていてこうなりました。
他にもフィギュアなどのディスプレイや、額縁の飾り方もうまくできるようにしたり、PS4などゲーム機を壁掛けにしたりするのも考えると全部まるっと変える必要があった形です。
・PCもかなり手の込んだ自作PCになっていますが、コンセプトを教えてください
yōdaiさんのPCとそこに紐づけられたお部屋の印象を語る上で、重要なのが「八雲藍」という東方projectのキャラクターと、そのキャラクターを取り巻く環境です。 自分の好きな「八雲 藍」というキャラクターは九尾の妖獣であり式神で、主である「八雲 紫(ゆかり)」がおり、また自身が式神でありながらも「橙(ちぇん)」という式神を持っています。立ち位置としては中間管理職のような、二次創作では「八雲家」として三人で描かれることが多いキャラになっているそうです。 |
コンセプトは「八雲 藍」というキャラクターを表現するキャラクターデコレーションPCです。
旧PCが購入してから10年程経っていたのですが、自身が休止状態になっていたので、10年の型落ちでもさほど困っていなかった、というか余裕がない状況でした。それが落ち着いたので心機一転もう一度はじめることにしました。最近ではiPad proが優秀でそれだけで描けてしまうものの、やはりPCのほうが楽な編集作業などもあるので、そうなるとさすがにポンコツ気味だったため当初はBTOで作ってもらうことを考えていました。
そこからいろいろと調べてスペック等を決めていく過程でいわゆる痛PCにしてしまおうかと思ったところで、PCデスク晒しちゃってる方に突撃インタビュー!2020 あなたのこだわり語っちゃってください!第36弾!で紹介されていた“みかん食べながら”さんの作品に出会ったことが大きく、自分もやってみようと思った形です。
みかん食べながらさんの記事はこちらです。 https://digitaldiy.jp/article/firstdiy/11218/ |
“みかん食べながら”さんの作品を見て、イラストのシールを貼るなどただ痛くするというのとは少し違う方向性を知れ、また奇しくも同じ「東方project」という作品を好きなもの同士というのもあって大きく影響を受けて、自分の好きな「八雲 藍」というキャラクターの要素を取りいれた形にしていくことを考えました。
他にもMOD PCで調べて海外などにも目を向けるとPCとしてまとまっているだけでなく、一つの世界観が構築されているものがあったりして、ジオラマを作るのに近い印象を受けたのですが、MOD PCを名乗るには技術の不足を感じていたので、デコレーションPCとして、ただ痛くするだけに終わらせないのを目指しました。
・コンセプトから、色合いや実際どこに何をデザインする、など、どのように決めていかれましたでしょうか?
コンセプトや色に関しては前述のとおり「八雲 藍」というキャラクターを表現するということでしたので、自ずと決まっていき悩みませんでした。
どういう形にしていくかは、例えばCOSPAさんのグラフィグというペーパークラフト(https://www.cospa.com/staticdoc/p/graphig_papertoy)があるのですが、あのように簡略化したものをPCケースで置き換えて表現する案や、Slice HEROES!!(https://play.google.com/store/apps/details?id=com.matsushimayuya.sliceheroes&hl=ja&gl=US)のように極限まで簡素化して色だけでそれとわかるようにする案などあり、パーツそれぞれが何を表現するかを考えて決めていきました。
具体的には、内部電源ケーブルなど柔らかいものには髪の毛や尻尾のイメージ(九尾狐の妖怪キャラなので)であったり、原作の設定から模様やライティングを決めたり、また同時にパーツ自体がゴテゴテしていないデコレーションしやすい形状をしているパーツの選定をしたりしました。
NZXTのH510のケーブルバーに一目ぼれしてケースはこれだと決めたあとは、外観をキャラの服としてとらえるかなど考えていき、最後はケーブルバーに前掛けのデザインを落とし込んで、首回りの装飾を飾り付けようとか、どこにどうデザインするかは使いたいパーツとの兼ね合いで決まる部分もありました。
他にはやはり痛PCらしさというかイラストは欲しくて、自分で絵が描けるので、ディスプレイの画像であれば季節ごとに着せ替えさせられるしいいなと思って特殊なサイズの液晶を輸入して使うことを考えたりしてあの形になりました。
・制作期間はどのくらいかかりましたでしょうか?
パーツを購入してから制作した実時間は数日だと思いますが、調べだしてからで考えるとだいたい一年くらいでした。
パーツの新製品が相次ぐ、いわゆる「今は時期がわるいおじさん」になっていったので、パーツ選定で待ちの時間がかなりあり、その間にいろいろ考えていました。部屋の制作からだと昨年の夏に塗り替えを行い、本棚などを制作し、最後にPCに取り掛かって完成したのは12月で、ちょうど完成して他のコンテストに応募したあとで、Digital DIYのデスクグランプリの存在を知ったので応募した形になります。
終わってみるとかなり時間がかかってますが、構想した時間は楽しかったですし、DIY自体も楽しくてPC部屋で使っている家具以外でもチェストや仏壇まで作りましたし、友人に頼まれて作りに行ったこともあったりして、特に時間かかったという意識はないです。
ただPCの自作が初めてだったので、組み上げたあとにBIOSのアップデートというものを知らず、起動しなくて焦って途方にくれて、Twitterで友人に教えてもらって無事起動するまでの数時間の苦闘が体感で一番長い時間でした。
・一番こだわったポイントを教えてください!
一番こだわったところは色です。色をどう使うかはじっくり考えました。
PC自体は「八雲 藍」をイメージしているので、物体として存在するもの、パーツなどの色の三原色によるカラーリングは「八雲 藍」のキャラクターからの青、白、金で基本的に揃えています。
とくに青は通常の塗料でなく、Mazda RX-7 FDの青が好きなのもあって、ホルツの補修用で出ているイノセントブルーマイカを使用しました。
内部のライティングの光の三原色によるカラーリングは、キャラクターの設定から内面的な部分と考えて、全体の色味を紫色で光らせて、転じて主である「八雲 紫」による力の入力を表現しており、グラフィックボードは出力なので、自身の式神である「橙」への力の出力と考えて、橙、転じてだいだい色というライティングにして、三者の設定的な力の流れをイメージした形になっています。
この辺りの意図は原作において式神のシステムが依り代となる存在に式神をインストールするというようなPCに例えられている記述もあって、同じ八雲家好きの方ならニヤリとして頂けるのではないかと思ってます。
キャラクターをいかにPCやライティングで表現するか、推しのキャラクターがいらっしゃる方はとても参考になるのではないでしょうか?特に色の配色や単純化などはおもしろいと思います! |
・机や本棚を自作する際、大きさなどはどのように決めていかれましたでしょうか?
流通している規格サイズと搬入経路でサイズを絞っていき、コストが最終の重要な決定要素だと思います。
元の使っていた机は某所で購入した安くて大きいデスクだったのですが、中がフラッシュ構造にハニカムの紙で補強したものになっていたので、次第にモニターアームでたわんできてしまい、買い替えを検討していましたが、だましだまし使っている状態でした。
ですが、やはり安価なものはほとんどが同様の構造になっていたため、大きさと上部さを最低限維持したうえで安くすませるために自作することにしたのですが、木材には流通している規格サイズがあるので、特注してその値段を支払うのと流通しているサイズから選ぶのとどちらがいいか、木材の固さや、搬入経路を通るサイズかなども含めて、最後は材木屋さんで財布と相談して考えたサイズになっています。
脚はアイアンのものを購入して取り付けただけになっていて、もっと安価にシンプルにすることも可能でしたが、反り止めに固い木材を使用し、反り止めを隠す意味もあって引き出しを別途自分で作成しました。
本棚も同様で、市販品を買うとぴったりのサイズがなくて無駄な空スペースができてしまったり、構造自体もかなり安いものでは棚板が先ほどもでてきたフラッシュ構造の空洞になってるものがあったりして大量に本を入れると重さでたわんできたりしていました。
なので天井近くまでの高さのもの、かつ置く予定のもののスペース幅ぴったりにする形で作っただけですが、やはり流通しているサイズから搬入経路を通るサイズに切り出す必要があったので、上下2分割して制作過程でダボ継ぎなどをして完成させています。
棚板の高さは漫画など本以外にフィギュアも同時にキレイに収まるものとなると、市販品では帯に短し襷に長しというケースが多いので、そこも考えてサイズを決めてディスプレイ用のライトを裏配線して仕込みました。
1段あたりの無駄なスペースが減ればその分同じ容積でも多く本が収まってくれました。
様々なものがDIYされているyōdaiさんのPCデスク周り。よく見ると、壁にも様々な額装があり、ご自身の癒しの空間になっていること間違いなしですね!
また、サイズだけでなく、耐荷重による木の材質選びの部分は大変参考になります。もし書物が多い方などにぴったりですね!本も、ジャンルごとに分けたり、うまく空間を利用することによって非常にインテリアとして活用ができます。
yōdaiさん、ありがとうございました!
※PCのスペックやデスクの写真、間取り図などは、取材時点のものになります。
※画像はDigital DIYer、Twitterの投稿画像から引用させていただきました。